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    宮古島と酒による社会損失
 
TAB INDEX
MED 医療プロジェクト Top
MED-1 未病とペンデミック対策
MED-2 医療の離島苦と施策
MED-3 障害者向け歯科医療
MED-4 子供の虫歯予防対策
MED-5 県立宮古病院に関し
MED-6 酒の社会損失
 
   
プロジェクトテーマ:
  宮古島において、酒による社会的損失がどれくらい大きいかの考察と、実際の酒による健康被害、酒による家庭崩壊の実態の検証。

「 飲酒運転やアルコール依存によって生じている様々な社会問題に関して真正面から向き合う機会が少なく、飲酒が実際に人の人生をどの様に狂わせているのかを考える機会はほとんど無く、仕方のない事、個人の問題として遠ざけてしまうような風潮にあります。 
しかし、飲酒の問題は非常に身近な問題なのです。

飲酒が過ぎて社会生活に問題を生じているのなら、それは社会においてみっともない事として扱う事が普通の事なのです。 安易に許してしまうのが良いコミュニティのあり方ではないと思います。」

このコメントは、平成23 年6 月25 日におこなわれた、沖縄県医師会主催の 「第21 回県民公開講座」においてなされた、理事の玉井修医師の挨拶文より、一部抜粋させて頂いたものです。

宮古島においても、酒の害による沖縄の平均値を超える医療費負担と社会的負担があり、その金額と人間関係への影響力が、そのまま宮古島の社会的損失に繋がっています。

宮古島プロジェクトでも、玉井医師の言葉にあるように、「個人の問題として処理
するのではなく、重大な地域の社会的関心事として、真正面から向き合っていく」 ために、このクラスターを立ち上げました。
   
プロジェクトキーワード
  宮古島、酒、酒の被害、酒による健康被害、酒によるDV(家庭内暴力)、酒による家庭崩壊、離婚率の高まり、医療負担の増加、子どもや次世代への悪影響、交通事故などの人的・物的損傷、生産性の低下による社会的損失、QOL(生活の質)の低下
 


タイムスタンプ付クラスター
 

019
アルコール類の販売促進活動の自粛が、青少年の酒類購入や飲酒抑制に与える効果について:

若年の飲酒の増加傾向に悩む世界各国の自治体が取り組みを強化しているのが、「アルコール類の販売促進活動の自粛が、青少年の酒類購入や飲酒抑制に与える効果について」です。 バイオテクノロジーのデータセンターとして知られる、アメリカ国立生物工学情報センターでは、「アルコール類の販売促進活動の自粛が青少年の酒類購入や飲酒抑制に与える効果について」の研究者グループのレポートを数多く紹介しています。

また、International Alliance for Responsible Drinkingのデータベースにも、アルコール飲料の若年層に与える影響についての多くの参考データがそろっており、世界の研究者に利用されています。 個別のレポートはここでは紹介しませんが、これらの研究データを基に世界の国々で多くの試みがなされています。

代表的な方策としては、アルコール飲料の広告自粛や放送時間帯の制限、放送本数の削減要請など、様々な形でテレビやラジオでの露出頻度を減少させる運動があります。 また、新聞や広告塔、スポーツ施設、電車内のつり広告やバス停の広告、公園のベンチ裏の広告に至るまで、若者の目に留まりやすい場所から、積極的にアルコール飲料の広告掲載を自粛する運動が世界各地で行われ、アメリカやヨーロッパの多くの自治体でも条例化され、宣伝行為が規制されています。

これは、流行やトレンドに敏感で、社会現象に影響されがちな若年層に飲酒を習慣化させないための有効な対策のひとつとして広まりを見せています。

その結果、青少年が多く集まるスポーツイベントでは、主催者側はプログラムから酒造業者の広告を削除する傾向にあります。 しかし、これはスポーツイベントから酒造業界を排除するという動きではなく、より企業として成熟した形での社会支援を行う一環です。 企業の社会参加の新しい形のひとつとして、酒造メーカーは広告掲載を行わないサイレント・スポンサーとして資金提供を行い、イベントの影の推進役となって積極的にイベントをサポートします。

一方で、スポーツ大会やイベントにコマーシャル無しで支援した酒造メーカーは、この事実について青少年が参加する可能性のない場所向けの宣伝や、会社のメディア向け資料でこの事実をニュースとして発信できますので、会社の社会信用とコーポレート・イメージを大いに高めることが出来ます。 つまり、酒造メーカーは宣伝しないことを宣伝でき、地域社会もアルコール飲料の宣伝数が減ることで、若年層の飲酒を低減させることが期待できるという、それこそサステイナブル(持続可能) な形でのウインウイン (Win-Win) の関係を築くことができます。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2015/9/29)
018
飲酒や喫煙が可能となる年齢の引き下げについて:

自民党の成年年齢に関する特命委員会(今津寛委員長)は26日、高校生や大学生ら約20人を党本部に招き、飲酒や喫煙が可能となる年齢の引き下げについて意見を聴取した。出席者からは、「大学の新歓コンパで事実上、未成年による飲酒が行われている」として、18歳への引き下げを求める声が上がった一方、「医学的見地から良くない」といった慎重な対応を求める意見も出た。
若者側からは、少年法の適用年齢引き下げについても発言が相次いだ。「社会に守られるのではなく、責任を持って行動することが必要だ」などと引き下げを容認する声が複数上がったが、「少年保護の観点から引き下げる必要はない」との意見もあった。 (2015/08/26)
(ここまで時事ドットコムよりの引用)

この動きにはどんな裏があるのかと、まず考えてしまうのが特命委員会という存在。 そもそも、特命委員会とあるからには飲酒や喫煙の可能年齢を引き下げることによって膨大な利益を期待する業界が裏にいるのか、それとも業界の売り上げ増で酒税やタバコ税を吸い上げる財務省が特命をだして、18歳への引き下げを急がせているのでは、との憶測も成り立ちそうです。

これまで、いくつかのレポートで触れてきたようにアルコールの若年における摂取は、多くの健康障害を引き起こすと共に、より高い確率でアルコール依存症になりやすいなど、人生全般にわたる心身障害や事故などによる死亡など取り返しのつかない禍根を残すことになります。

特命委員会では、飲酒年齢を下げることで18歳と19歳の青年男女にどのような具体的メリットがあると考えているのでしょうか?

選挙権など、社会責任と権利の行使には大賛成ですが、身体的未成熟期におけるアルコールの分解能力の低さによる内臓機能への負担の大きさや、アルコールが長く体内に残ることによって引き起こされる脳障害などの悪影響については看過することのできない重大な問題です。

 

上のグラフは、2008年5月 The National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA 国立アルコール依存症研究所) のBridget F. Grant博士と Deborah A. Dawson博士など11人の研究者による 27,616症例の分析結果の一部を宮古島キッズネットがグラフ化したものです。 この報告では、若年でアルコールを摂取した場合のアルコール依存症になる確率を、家族にアルコール依存症者がいる場合といない場合に分けて算出しています。 将来ある日本の若者を壊さないために、喫煙と飲酒年齢の引き下げは先に大人になった者たちが愛情を持って反対し、飲酒、喫煙年齢を現在の20歳に留め置くことにしましょう。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2015/9/02)

017

アルコール依存症と家族の置換症状(パラ - アルコホーリズム):

多くの日本企業が進出し、日本人の多い都市として知られるカリフォルニア州トーランス市に、アルコール問題に関する世界的研究所 Adult Children of Alcoholics (ACOAS), World Service Organizationがあります。

ACOASをはじめ、今世界では酒を原因とする生活習慣病がそれぞれの家族の子供たちに与える精神的、肉体的苦痛の大きさに関する研究が盛んに行なわれ、アルコール依存症の家族を持つ子供たちがどう成長し成人となっていくかの追跡調査の結果や新しい発見は、次々と各国のワークショップを通じて子供の救援や治療に生かされています。

アルコール依存症の家族を持つ子供にADHD(注意欠陥多動性障害)か多いとのCDC (アメリカ疾病管理予防センター) をはじめ多くの研究結果がありますが、家族にアルコール依存症患者がいる家の子供は継続的な精神的ストレスによる自己免疫疾患や内分泌異常によりADHD以外にも多くの失調症をかかえることになります。

最近のワークショップで多く語られるのが、Para-Alcoholism (パラ - アルコホーリズム)です。

パラは医学用語では「擬似」や「置換」 ですが、アルコール依存症患者は一緒に住む子供を含む家族全員に、アルコール中毒者の感情や悪影響をそっくり置換反応させてしまっている現象がパラ - アルコホーリズムです。

パラ - アルコホーリズムの影響は、特に強く主張できない性格の妻や子供に顕著に現れるといいます。そうして、子供たちは人生そのものに大きな影響を与える性格上の変化を次々と置換反応させ、症状を悪化させ、成人していきます。

具体的な症状は次のようなものです。

1. 人に話しても理解してもらえない特別な境遇にあると考え、いつも孤立感や孤独感を持つようになる。
2. こんな環境で育った自分は、とても人には認めてもらえないだろうと考える。
3. 他の人の怒りにとても敏感になり、脅威と感じるようになり他人とのかかわりをことさら避けるようになる。
4. 怒りや悲しみで自分ではどうしていいのかが分からない生活が続くと、心が今のことだけになってしまい、将来や自分の夢を持つスペースが全くなくなってしまう。
5. 大人が酒に溺れる生活を目の当たりにし、自分も現実逃避をしてみたいとの思いが強まり、酒や薬物を試したいとの誘惑に負ける。
6. 家族の暴力的、あるいは実際の暴力による支配は、子供が自立した個人として成長する前に精神的・性格的に大きな歪みと暴力性をもたせてしまう。

これらが、アルコール依存症患者が家族や子供に与える置換症状(パラ - アルコホーリズム)です。

パラ - アルコホーリズムの治療法は一つしかありません。 家族のアルコール依存症患者を治療させ、完治させることです。 アルコール依存症の人はよく、「酒飲んで病気になっても、苦しむのは俺なんだから余計な指図はするな」と啖呵をきりますが、苦しむのは本人ではありません。 
本人の苦しみをはるかに越える苦しみを、家族と子供が味わっています。

参考資料:
1. Adult Children of Alcoholics World Service Organization
2. The Centers for Disease Control and Prevention

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2015/4/04)
016

変えるべき文化:

 先日、あるテレビ番組でアメリカ最北の町、アラスカの北極海に面する バロウという町にある高校 Barrow High School のフットボール部 Ballow Whalers を紹介していました。 北緯70度にあるその町は人口約4,300人、世帯数1,400戸くらいですが、町の人々の多くが飲酒による家庭内暴力や飲酒を原因とする事故や社会問題を引き起こしています。

難しい社会環境、厳しい自然環境の中で、フットボールに情熱を燃やす生徒を育てようとするコーチの 「私はこの町の文化を変えていきたいから、こうして学生にフットボールを教えています。 町の人々もそのような生徒の努力に感動し、この地で生きていく喜びを共感してほしい」 との言葉がが心に残りました。

コーチの使った 「文化」は、私たちが日常なんとなく思い描く 「文化」 の意味するところとはかなり違う響きをもっているように聞こえますが、実はこのコーチはかなり正確に文化というものを捉えていると言えます。

民俗学上の文化とか文明の定義で世界の研究者が最も多く引用するのが、Sir Edward Burnett Tylor と Morton H. Fried でしょうが、その基本概念は、

「民俗学上の文化とか文明の定義は、構成する地域の人々によって習得された知識や一般的な信念、芸術、道徳、社会習慣、能力、 機能体系、個人や地域社会の思考や行動習性の傾向の複合体として作り上げられる合成物、あるいは合成概念である。」 ということです。

広義、狭義の差なく、今のその地域のあるがままが 「文化」 そのものであり、変えていかなくてはいけない文化や進化させなければならい文化があります。

宮古島にも飲酒による家庭内暴力や飲酒を原因とする事故や社会問題があります。 宮古島の人は、「おとーりは宮古島の文化さ」 と言います。 文化という言葉の使い方は定義上正しいのですが、この文化もバロウ高校のフットボール コーチの言うように変えるべき時期をむかえた文化のひとつかもしれません。

参考資料:
Sir Edward Burnett Tylor.  Primitive Culture, London: John Murray, 1871. Reprinted in 2 vols. as The Origins of Culture and Religion in Primitive Culture. New York: Harper and Brothers, 1958.

Morton H. Fried,  The science of linguistics. Readings in Anthropology, vol. 1, ed. 347-63. New York: Thomas Y. Crowell. [1968]

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2014/11/17)
015

我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策:

子供が酒や薬物の摂取を続け、依存症となるケースはけして珍しくなく、子供を持つ家庭であればその危険性は親や家族が考える以上に高いのが現実です。 また、今回のテーマ 「我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策」は、様々な誘惑にさらされると考えられている都会の子供たちの親のための対策だけではありません。 地方や離島で生活する子供たちの親もまったく同じ条件下にあり、依存症から子供を守る具体的な行動が求められています。

そのための具体的な研究報告が日本では見つからなかったので、今回は全米保健研究所 NIH (National Institute of Health) の資料を基に、親の行動はどうあるべきかを考えていきます。

我が子を酒や薬物依存症の犠牲者とさせないための親の対策

1.

親は、子供がティーンエイジャーとなった13歳頃より、子供とお酒や薬物の問題について積極的に話し、子供がこの問題についても親と話しやすい環境を作っておく。

ここで、親や家族に共通する懸念があります。 それは「そんなに早くから子供に酒や薬物について説明したり話し合いを続けると、逆に子供の酒や薬物への興味を煽ることになってしまいませんか?」ということです。

NIH のリポートではこの点に関し、「多くの親がその心配をするが、親がしっかりと現実を見据え子供たちに説明を続けることで、継続調査の結果からも子供は親の思いを知り、親の考えを理解しようとします。また、このような親の姿勢を見て、親に対する信頼も高まっています。」と報告しています。

2. 子供が今の親子関係、家族関係がどのような状況と受け止めているかについて、子供に直接質問する方法以外で親が確認し、改善の必要な事があれば改善しいつも話し合いができる環境を作る。
3. 家系として、親や祖父にアルコールや何らかの依存症体質があったか、無かったかを確認します。 そのような依存症を持つ親族がいた場合は、家庭内で飲酒の危険性についての認識の甘さや緩やかな考え方が出来上がっているかもしれません。 この考えや習慣を子供に引き継ぐことの無いように家族で考えましょう。
4. 子供の成長と共に、性格や考え方がどのように変化していっているかをしっかりと理解する。 社会性があまり無かったり、将来の夢や希望がはっきりしていなかったり、熱中するものをもっていなかったりと、子供なのになんとなく日々が過ぎていく生活は退屈しのぎにアルコールや薬物に手を出しやすい状況でもあります。 家族は、アルコールや薬物に手を出させない努力でなく、子供の興味や将来への夢をともに語り合い社会への適応力を高め伸ばすための努力をしましょう。
5. 家庭内に酒の依存症の人がいない場合でも、子供たちがいつでも勝手に試し飲みをしたり、コップに注いで自分の部屋に持っていけるようになっていませんか? このような家庭の子供たちが、習慣的アルコール依存症になる可能性が高まります。 お酒類の管理方法を考えましょう。
6. 悪い友達に誘われていませんか? 家庭内で孤立させないように、悩みや問題を家族に相談したり、家族が「悩みがあるんじゃないの?」とストレートに問題を聞き出す環境を日頃より作り、交友関係を把握しておきましょう。

 以上が、全米保健研究所 NIH による「未成年者をアルコールと薬物依存症から守るための活動」の中からいくつかの報告内容を抜粋しまとめたものです。
ここにある6つのチェックポイントは、けして多くなくまた専門的知識や専門家の指導を仰ぐことなくすぐに実行できるものばかりです。

子供のアルコールや薬物依存症が親の手に負えないほど難しくなってしまうのは、それまでに親や家族でも出来たはずの1から6までのいずれの行動もしていなかったことに原因があるようです。 その結果、症状が進んで生涯にわたる重篤なケースを含む何らかの心身障害へと進行させてしまいます。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2014/10/30)

014 

少年・若年犯罪者と飲酒の実態

 コロンビア大学に付属する「全米麻薬及びアルコール依存症研究所」が2014年4月に発表した少年刑務所に収容された少年・若年犯罪者たちと飲酒とのかかわりに関する最新統計は、対象年代の子供たちを持つ家族にとっては多くの警告を与えてくれます。

1.収容者の75%が習慣的に酒を飲んでいた。
2.そのうちの3.6%だけが専門医の治療やカウンセリングを受けていた。
3.暴力行為で収容された64%の子供が習慣的に酒を飲んでいた。
4.不法侵入罪で収容された72%の子供が習慣的に飲酒していた。
5.脅迫、社会秩序びん乱行為者の81%が習慣的に酒を飲んでいた。
6.収容者で何らかの精神的障害を伴う子供の内75%が習慣的に飲酒していた。
7.収容者の内学習障害を持つ子供の80%が習慣的に飲酒していた。

これらの具体的な数値と共に、若年で飲酒を始めた子供たちは、以下のように人生を変えてしまうほど、より危険な道を歩むことになります。

男女が12歳から20歳の間に習慣的に酒を飲むことで、次のような事実に直面します。
1.犯罪者となって逮捕される可能性: 2倍
2.市販薬をオーバードーズするようになる: 3倍
3.マリファナに手を出す可能性: 3.5倍
4.エクスタシーなど違法ドラッグに手を出す可能性: 7倍
5.コカインに手を出す可能性: 20倍

 これらはアメリカでの最新統計ですが、傾向として日本でもきわめて似かよった状況にあると考えるのが合理的です。
特に酒に手の届きやすい家庭環境をを持つ宮古島の子供たちにとっては、酒の被害者となり、その結果はからずも加害者の道を歩むようになる可能性が高いといえます。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2014/10/1)

013

未成年の飲酒を防ぐためと習慣化させないための家族の対策:

 今回のリポートの参考として、データ量の多いCDC(アメリカ疾病予防管理センター)及び MHSA(薬物乱用・精神衛生管理庁)の2014年5月10日の報告書をもとに、未成年の飲酒を防ぐためと習慣化させないための家族の対策について検討します。

 このサイトでは、12歳から20歳までの男女を対象とし、家族やこれらの対象年齢の子供が自分の子供の友人である場合も含め対策を講じます。

 まず精神衛生管理庁の研究データでは、12歳から17歳で飲酒が習慣化した場合、一生に関わる性格への影響と犯罪者になる確率が確実に高まり、特に犯罪では凶悪化、暴力化の傾向が顕著であるということです。 また、思春期・成長期の習慣的飲酒によるうつ病になる確率が高く自傷行為や自殺の割合が最近特に高くなっています。

 もうひとつ未成年の飲酒による大きな弊害が、麻薬に対する警戒心の薄れによる使用傾向の高まりです。
最新の調査結果では、飲酒が習慣化した未成年者は酒を飲まない未成年者の16倍も多くの確率で麻薬を使うようになっています。
また、麻薬を使っている未成年と酒の量の因果関係について調査分析すると、摂取するアルコール分量と麻薬を使う頻度には直接的な関連性がないことから、飲酒という一つの逸脱行為に一旦踏み込んでしまうことで、社会的ルールの規範内に留まる必要性を希薄にしているようです。

 ここに未成年の飲酒による本当の影響の大きさ、怖さがはっきりと表れています。
つまり、未成年の飲酒は、量が多いから危険とか、多少ならば許されるという健康上や生活上の影響でなく、「飲酒という一つの逸脱行為に一旦踏み込んでしまうことで、社会的ルールの規範内に留まる必要性を希薄にしてしまう」という恐ろしい現実です。

 ただし、未成年の飲酒問題のケースでは親にとって一つの救いがあります。

 それは、子供の飲酒が始まった場合多くのシグナルがあり、親がその事実を見つけやすいということです。 飲酒の始まった子供たちには次のように日常の行動が変わっていきます。

1.友人が変わる
2.学校の成績が低下する
3.朝起きれなくなり、病気を理由に学校を休むようになる
   MHSAの調査では、飲酒が原因で学校を休む生徒の数が本当に病気が原因で休む生徒の6倍だったこともあります。
4.家の買い置きの薬がすぐになくなる
5、特にスポーツ系では顕著に表れますが、部活やスポーツ競技に参加しなくなる。
6.お金を欲しがるようになる。飲酒量が習慣化したり麻薬に走った時は、誰に頼むにせよ必ず購入費が必要になり、
毎日ともなるとかなりのお金を調達しなければならないので、お金に関しては敏感に反応するようになります。

 このような行動の変化を見つけた時、親はすぐに行動を開始しなければなりません。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2014/8/28)

012

沖縄県福祉保健部 宮古福祉保健所は、2013年10月2日に宮古地域における飲酒の実態調査の中間報告を発表


この調査は、世界保健機関(WHO)の AUDIT (The Alcohol Use Disorders Identification Test) といわれるアルコールによる使用障害特定検査様式に基づき実施したものです。 調査は、平成24年7月3日から平成25年1月31日にかけて運転免許の更新講習を受講者を対象に行われ、その結果計1620件の有効回答をまとめたものです。

この使用障害特定検査を分析することで、アルコール依存の実態を知ることができるといいますが、宮古島地域のアルコール摂取頻度や摂取量には明らかな傾向があり、アルコール関連問題の多くが密接に関りあっているようです。

この報告書にある宮古島の問題点には以下のようなものがあります。

1. 宮古島の男性で、多量飲酒者と定義づけられている1日あたり純アルコール量60グラムを越えて酒を飲む割合は71%で、沖縄県全体の多量飲酒者の割合の約4倍、全国の約5倍にもなっている。
2. また女性も、27%が多量飲酒者であり、その割合は沖縄県内多量飲酒者の約3倍、全国の約4倍です。
3. 今回の調査結果であるAUDITスコアを、地域全体の相対的判断基準として計算すると、宮古島地域の20〜60代の男女約3万2千人のうち、アルコール依存症の疑いのある人が約4,200人いるとの推測される。

この報告書の中で縄県福祉保健部より、 「過度の飲酒は、本人の健康問題のみならず、家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性があります。 特に宮古地域では、オトーリと呼ばれる風習があり、飲酒習慣が定着していることからも、過度の飲酒によるアルコール関連問題への対策が重要です。」 とのメッセージがありますが、自分の健康、家族の幸せ、地域の安全のために、1980年代より習慣化したオトーリなどから始まるアルコール依存症から “いかに回復することが出来るか”、さらに依存症予備軍といわれる若い世代に “いかに習慣化させないか” を真剣に考える時代になっています。

(イメージは沖縄県宮古福祉保健所による 「宮古地域における飲酒の実態調査 中間報告」 より)
なお、今回の中間報告は沖縄県福祉保健部 宮古福祉保健所のウエブサイトからPDF版をダウンロードして見ることができます。 グラフ表示がとても多く、視覚的にとてもわかりやすい内容です。
http://www.pref.okinawa.jp/site/fukushi/hoken-miyako/somu/toppage.html

また、この多量飲酒問題に取り組んでいるグループで世界保健機構のAUDIT検査およびAUDITスコアーの評価基準について詳しく知りたい方は、直接 WHOのホームページで知ることができます。
http://www.who.int/substance_abuse/publications/alcohol/en/

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2013/11/24)
011

Cerebral Cortex Journal (大脳皮質ジャーナル誌)

10歳から20歳にかけての、成長期の子どもによる飲酒問題と取り組んでいる方はすでに読まれたと思いますが、オックスフォード大学出版部が発行する Cerebral Cortex Journal (大脳皮質ジャーナル誌)の2013年1月30日号で、若年層の飲酒と脳への影響についての最新研究報告が掲載されました。 Cerebral Cortex Journal は、@神経メカニズム、A思考プロセス、 B行動形態などについての研究に関する専門誌です。

成長期の子どもが酒を飲むと、大人が酒を飲んだ場合とまったく違った障害が脳の大脳や海馬といわれる部分に、一時的ではなく一生残ります。 成長期の子どもが酒を飲んではいけないのは、このためです。

海馬(かいば)の働きと酒の影響について:

脳の中心部で脊髄に近いところに、人間の記憶に欠かせない大切な海馬(かいば)と呼ばれる器官があります。 私たちが見たり、聞いたり、読んだことは記憶として一旦すべて海馬に集められます。 海馬は記憶の短期貯蔵庫のようなところですが、海馬に集められた記憶は記憶情報として他のものと分類されます。

そして、私たちが思い出したいと考えた時にいつでも電子信号さえ送れば引き出せるように、つないでおきます。 また、良く思い出す内容は大切な情報と判断して、記憶の長期保管を受け持つ大脳へ送ります。 ところが、つないでも思い出すことの無い記憶は、海馬が覚えておく必要の無い記憶と判断して、電子信号を送るラインを外してしまい、記憶が削除されます。

このように、海馬はどの情報を記憶として長く残しておく必要があるのかを判断してくれ、またその記憶をどこに送るかの整理をしてくれる大切な場所です。 ところが、この海馬の機能を妨げるもののひとつが、お酒・アルコール飲料です。
特に10歳から18歳くらいの成長過程・発達段階で飲酒を続けると、その後の人生に大きな影響を与える次のような障害が残ります。

1. 海馬の成長が妨げられ、正常に育たない。
2. 海馬が成長の途中なのに萎縮が始まり機能が落ちて、情報の整理がうまくいかなくなる。
3. 記憶力が伸びないので、記憶障害をひきおこす。
4. 正常な精神的発達ができず、精神障害になる。


大脳の前頭葉・前頭前野の働きと酒の影響について:

大脳の前頭葉と呼ばれる場所は、人が生きるための状況判断をする場所と言われています。

1. 状況判断力 (状況を正確に理解して、どのような状況にあるのかを知る。)
2. 計画性 (どの方法にするかを考えたり、計画する。)
3. 実行力 (計画したとおりに実行する。)

また、前頭前野と呼ばれる場所は脳の司令塔とも言われる場所で、前頭前野で学習した後は、その内容によって脳の他の部分にまかせるなどの高度な作業ができます。 ところが、この前頭葉・前頭前野も、未成年者が酒を飲み続けることで、この部分の成長が止まったり、萎縮して作業が出来なくなるなど、大きなダメージを受けることが分かっています。 それらは・・・

1. 状況判断がうまく出来なくなる。
2. 思考力が落ちるので、集中力が無くなり、物事に無関心になる。
3. 情報の伝達機能がうまく働かないので、計画することや実行することがとても難しくなる。


大脳の白質領域と酒の影響について:

脳の前頭葉に白質領域 (はくしつりょういき)と呼ばれる場所があります。 白質領域は、神経信号を伝える通信ケーブルが混線して情報がごちゃ混ぜにならないようにケーブルを白い幕で包み込み、保護しながら伸ばして張り巡らせます。

この白質領域はじっくりと20年くらいかけて完成する場所なので、未成年の時に酒を飲むと、この白質領域の発達が止まり、神経信号が上手く伝わらなくなるという、重大な障害が残るそうです。

参考資料:
1. Cortex Journal, Oxford University Press.
2. Wellesley College, Chemical Department.
3. National Institutes of Health
4. CDC (Center for Disease Control and Prevention), Behavioral Risk Factor Surveillance System

この内容は、宮古島キッズネットでも詳しくお読みいただけます。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2013/7/07)
010 
WHO(世界保健機構)は、定期的に酒やタバコ、麻薬など依存症になりやすい製品の世界的な現状をデータにまとめ発表しています。 一番最近の発表は2011年2月の第64回 WHO国際会議でした。 それによると、

1. アルコール依存症に関連した死者数は世界で年間約 250万人。
2. その内の約 32万人が 15歳から29歳までの青年で、全体の 13%になり、調査ごとにこの比率が高くなっています。
3. 15歳から29歳までの青年で、酒が原因となった事故による死亡者数は、同年代の死亡者総数の9%です。

また、第64回 WHO国際会議では、13歳から15歳までの子どもの酒類の使用体験に関する調査結果が発表されました。 それによると、13歳から15歳までの子どものうち、女子の14%、男子の18% がお酒を飲んでおり、この段階で家族の指導や、学校などで酒を飲むことによる問題点についての教育がなされていない場合、子どもたちのアルコール摂取は確実に習慣化するということです。

またこの会議では、すべての年代におけるお酒の社会問題について発表されました。

1. 全世界の死亡者のうち男性の6%、女性の1%は酒が原因だった。
2. 死因の分析の結果、酒を飲むことで200以上の病気の症状を悪化させていたことが解かった。
3. 酒を飲む人は、酒を飲まない人よりも平均寿命が10年短いことが解かった。


なお、この報告書には、世界の飲酒人口の統計もあり、男性の50%、女性の75%は全く酒を飲まないか、飲酒が習慣化していないということです。 ただし警告として、アジア、アフリカ地区の若年層の飲酒傾向が高くなってきているので、この地域では今後大きな社会問題となる可能性があり、早急に対策が必要だということです。
( WHO Report Feb. 10, 2011 )

子どもの酒の問題が世界的に注目されたのは、2001年スエーデンのストックフォルムで開催されたWHOのヨーロッパ諸国会議で発表された内容が衝撃的だったためです。
その時発表された統計内容は以下のようなものでした。

1. 1995年世界全体で、15歳から29歳までの男性の死亡者の5%は酒が原因で死亡している。
2. 東ヨーロッパでは、15歳から29歳までの男性の死亡者の25%は酒が原因で死亡している。 1999年、この地域では55,000人の若者が死亡した。
3. 酒を飲み始める年齢として注意が必要なのは10歳から15歳で、この期間中の家庭教育や社会活動により、酒を飲み始める時期を遅らせたり、弊害に関する教育をすることで依存症の比率を下げることが出来る。

( 2001 WHO European Ministerial Conference on Young People and Alcohol, Feb. 19, 2001)


この内容は、宮古島キッズネットでもお読みいただけます。
(宮古島プロジェクト 管理運営部 2013/7/07)
009

アルコールによる社会損失の可視化:

アルコール好きにとっては、「アルコールの飲み過ぎによる社会的損失が年間 4兆1483億円 に達する。」 との、今年2月の厚生労働省の発表も、「俺が好きで飲んでるんだから、ほっといてくれ。」 と答える人が大半のようですが、一要因から見た社会損害の大きさで調べていくと、アルコールほど飲んだ本人はもとより、家族や社会に与える影響(多くは被害や障害)の大きいものはありません。

そこで、私たちが今検討しているのがアルコールによる社会損失の可視化による、本人や家族、地域社会の認識の高まりです。

WHO(世界保健期間)の一番新しい統計は2008年ですが、アルコールが直接死亡原因となったのは、全死亡原因の3.8%で、原因別順位では8位です。 

一方アルコールが健康損失の原因となったのは全要因の4.5%と、比率では一見低そうにみえますが、生涯にわたり健康を損ねる要因別では、1位幼児期の栄養失調、2位のエイズに次いで、アルコールの飲みすぎによるものが3位なのです。

単に数字を記事中で紹介するだけでは、健康被害を実感として捉えにくいかもしれません。 また家庭や社会への直接的・間接的損失の実態や事の重大さについても、認識していないあるいは些細なことと受け流しているのかもしれません。

事の重大さをどう本人に伝え、どのようにしてアルコール依存から抜け出すことが出来るかについては、いまは多くの場合個人の問題、家庭内の事と放置され、まだ解決のための社会的対応が整っていません。

宮古島の若き世代をアルコールで壊されないようにするために、今後はこのクラスター上で地方社会にあって実践可能なアプローチをともに探し、開発をしていきたいと思います。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2012/7/08)
008

宮古島警察「容認する心理一因」/喫煙、はいかいは減少:
 
(宮古毎日新聞 20120年 5月19日の記事より抜粋)

宮古島署管内で5月中旬までに未成年者による集団飲酒で補導された件数は7件で、前年同時期に比べ2件多く、県内では最も多いことが同署のまとめで分かった。喫煙や深夜はいかいなどで補導される未成年者は減少しているものの、飲酒で補導されるケースが増えている。同署ではカラオケ店や飲食店での補導もあることから「未成年者の飲酒を容認、または黙認するような大人の心理も一因」として、地域が連携して厳しく見守ることが重要だと指摘している。

18日に市役所平良庁舎で行われた「市青少年問題協議会」第1回会議で資料として示した。

それによると、法律に触れる行為の窃盗犯などで検挙・補導された人数は今年4月末で17人となり、前年同時期に比べ14人減少した。

ただ、無職及び有職少年らが後輩の中高生を飲酒に誘い非行助長罪で補導されたケースもあり、先輩の誘いを断り切れずに非行に走る中高生の実態も指摘された。

喫煙や怠学、深夜はいかい、不良交友など、いわゆる不良行為で補導された少年は234人で前年同時期(360人)に比べ、126人減少した。

しかし、飲酒は36人で、前年同時期(27人)に比べ11人増加した。

不良行為で補導されたのは中学生75人、高校生72人となり、中高生が全体の6割以上を占めている。

数字をまとめた宮古島署では「補導件数は減少しているものの犯罪件数は増えている」と指摘。深夜など保護者の目の届かないところで犯罪が起きている可能性があるとして、地域が一丸となって未然防止に取り組むことが重要だと訴えている。

また、集団飲酒で補導された場所が飲食店だったことも挙げ「年齢確認の徹底が必要」と強調。経営者が未成年と知りながら酒を提供したかどうかも調べていく方針だ。

宮古島プロジェクト 管理運営部コメント:
「子どもに法を犯すような行為をさせない社会」、「大人になる前から飲酒やタバコなどの依存性の高い生活に入らせない社会」 にしなくてはいけません。
宮古島の行政をはじめ市民の多くが、問題がどこにあるのかが分かっています。 どうしなくてはいけないかも分かっています。 必要なことは、子どもへのしつけではなく、大人たちの覚悟だけです。
あとは、それをいつ実行に移していくかのタイムライン作りです。


(宮古島プロジェクト 管理運営部 2012/5/21)
007

アメリカに住む友人から最近教えられたこと:

友人には50代で、現在は独身で強いアルコール依存い症だった友だちがいるそうです。
もともと俳優志望で、実際に80年代には映画にも端役で出たこともある彼は、とても優しく、ロマンチストでYouTube に自分の思いをビデオに撮り、アップロードするのが趣味でした。

ここ数年は、ロサンゼルス近郊の町でペンキ職人をしていたのですが、彼を雇ってくれるところがなくホームレス状態になっていたのが昨年の春。
そこで彼は、古くからの飲み仲間の一人の家にころがみこみます。 ただ、困ったことに、この友だちもアル中で、おまけに麻薬もやるなど環境的には更に悪くなります。

アルコール依存が一層強まり、昨年は酒がもとで大怪我をしてしまいます。
自分がそのような環境に居続ける限り、この堂々巡りのような人生から抜け出せないとの恐怖感を覚えたそうです。

そこで目覚めた彼は、アルコール依存症から立ち直りたいと心に決め、自らリハビリーセンターへと入所しました。 具体的には何ヶ月のプログラムだったのかわかりませんが、退所できた彼は、支援プログラムのひとつである職業訓練のコースに進むことができて、大型トレーラーの運転免許を取得することができました。

その結果、彼はテキサス州の長距離トラック運送会社に就職することができて、ここ2ヶ月ほどは全米各地を走り回っているそうです。

退所後は酒の誘惑に負けることなく、しかも現在では酒なしで生活することに自信がついてきたということです。

この話を聞いたとき、私は宮古島のアルコール依存症の問題に重ね合わせて考えていました。
宮古島の場合も、この男性がリハビリーに入る前の環境のように、周りが酒びたりで 「誘う」 とか 「誘われる」 の問題ではなく、地域そのものが酒に浸ってしまっているようなものですから、よほど強い意志か、あるいは病気などで身体的に酒を受け付けることが出来なくなくなった場合以外は、アルコールから抜け出すことは難しいようです。


言い換えると、宮古島ではアルコール依存症が問題化していても、まだまだ、地域がその傾向を容認しており、その環境の中でひとりだけ抜け出す、あるいは一家族だけ酒のからんだ付き合いと決別するということは、とりわけ密度の濃い島民どうしの付き合いの中では、相当の覚悟が必要です。

でも、やはり酒に負けるのは良くないし、せっかくの短い人生なのだから最後までシャキッと、人としての尊厳をもって家族や地域のための活躍を続けることの出来る人であって欲しいと思います。

(S.S 2012/5/20)
 006 
平成24年4月1日は、酒にからむ事故や事件、健康被害に悩む人々にとっての記念すべきする日になるかもしれません。 それは、全国ではじめて福岡県が罰則付き条例を施行することで、飲酒運転による事故責任をさらに明確化し、飲酒運転の防止効果を高めることが期待できるからです。 以下は、毎日新聞 2012年3月31日(土) の記事より抜粋です。

福岡県
 飲酒運転撲滅条例 4月施行      
  年間の飲酒事故件数が全国最悪水準で推移する福岡県で、飲酒運転防止を県民の責務とする飲酒運転撲滅条例が4月1日に施行される。 飲酒運転で2度以上摘発されたドライバーにアルコール依存症検査の受診を義務付けるなど罰則規定の施行は、周知期間と運用規則をつくる時間が必要なため、今秋になる見通し。
飲酒運転撲滅条例の評価:
  全国初の罰則付き条例 ができた意義は大きい。議論の過程でアルコール依存症の受診義務を負う対象者が縮小したが、まずは条例化を評価したい。多くの命を守ることにつながってほしい。
県民に訴えたいこと:
誰もがある日突然、飲酒事故の被害者にも加害者にもなる可能性がある。誰にでも起きる問題として考えてほしい。
条例は3年以内に見直しがある:
 

県内では昨年の飲酒事故は減少したが、06年の3児死亡事故の後も一度は減少しながら増加に転じた。条例見直しが、改めて飲酒運転撲滅を考える機会になれば。

店や家族に通報義務化:
1. 福岡県の飲酒運転撲滅条例は「飲酒運転はしない、させない、許さない」を県民の責務と規定。
2. 家族や知人が飲酒運転する可能性があればやめさせ、できなければ警察に通報することを努力義務としている。
3. 酒類を提供する飲食店には、客が車で来店していないかの確認を、
4. タクシー運転手には飲酒運転の車に気付いたら警察への通報を求めている。
 

事業者には飲酒運転撲滅を宣言し、飲酒運転撲滅推進計画の策定などに努めるよう促す。施行後の4月2日、福岡商工会議所が「第1号」の宣言を行う予定だ。

県警交通企画課の尾山一博次席は「条例施行で総合的な取り組みが進めば、飲酒運転の減少につながる」と期待を込める。

福岡県では06年8月、飲酒運転の車に追突された車が海に転落して子供3人が死亡したほか、昨年2月には高校生2人がはねられて死亡。飲酒事故は10年に337件と全国ワーストを記録し、県議会が条例案を検討。 今年2月に可決された。
沖縄県の場合:
さて、飲酒絡みの人身事故は平成2年から19年連続、死亡事故は平成七年から14年連続でワースト1 (昨年はワースト2位) であり、また、飲酒運転で検挙される者の人口千人当たりの比率も、全国平均の4.4倍と際だって多い沖縄県でも、平成21年10月1日より下記のとおり沖縄県飲酒運転根絶条例が施行されたのをご存知でしょうか?  ただし、今回の福岡県の飲酒運転撲滅条例との大きな違いは、沖縄県では罰則付きの条例ではないことです。 以下がその内容です。
沖縄県飲酒運転根絶条例の施行について
〜交通事故のない安全で安心な社会の実現を目指して〜
  この条例は、県及び県民等が一体となって飲酒運転の根絶を図り、飲酒運転のない安全で安心な県民生活を実現することを目的とします。
沖縄県飲酒運転根絶条例骨子
1. 県民は家庭や地域、職場で飲酒運転根絶の取り組みに努める
2. 公職にある者は範を示すべき立場を深く自覚し、飲酒運転根絶に率先して取り組む
3. 事業者は従業員に対し、飲酒運転根絶に関する教育、指導その他必要な措置を講ずるよう努める
4. 飲食店、駐車場所有者は、飲酒運転防止呼び掛けの文書掲示に努める
5. 公安委員会は、再発防止の措置として飲酒運転をした者や、その者に酒類提供した飲食店に対し必要な措置を講ずるものとする
6. 県は、飲酒運転をした者及びその家族等からの相談に対して、再発防止のための助言その他必要な措置を講ずるものとする
7. 公安委員会は、飲酒運転事故件数や違反者数などの情報を市町村別に作成し、インターネットなどで公表できる
8. 県は、総合的な施策推進の基本方針を策定
9. 根絶運動の日を毎月1日と定める
(宮古島プロジェクト 管理運営部 2012/4/01)
005 
アルコール依存症について
悩みがあるとき自分だけで悩むのではなく、まずは客観情報をたくさん集めて、自分たちがどのステージにあるのかと、その先の改善に向けた対策を具体的にさがしましょう。

下は厚生省労働省が運営する、「アルコール依存症」 からの抜粋です。

アルコールに関係した問題のすべてはアルコール関連問題と呼ばれ、これにはさまざまな健康問題や社会問題が含まれています。健康問題に限っても、世界保健機関(World Health Organization:WHO)は、60以上もの病気や外傷がアルコールによって引き起こされていると報告しています。
図2は、各ライフステージにおける主な関連問題をまとめたものです。アルコールはタバコと異なり、健康問題に加えて社会問題も大きな比重を占めているのが特徴です。


詳しくは直接 「アルコール依存症の更に詳しい情報」 をお読み下さい。

(宮古島プロジェクト 管理運営部 2012/3/15)
004 【国際】
WHO(世界保健機構)は、定期的にアルコールやタバコ、麻薬など依存症になりやすい製品の世界的な現状をデータにまとめ発表しています。 一番最近の発表は2011年2月でした。 それによりますと、アルコール依存症に関連した死者数は世界で年間約 250万人。 その内の約 32万人が 15歳から29歳までの青年で、全体の 13%になり、調査ごとにこの比率が高くなっています。

また統計では、大人の飲酒環境の悪化や、飲酒量の増加、アルコール依存症比率が高い国ほど若年層の飲酒事故死者数も増えることから、WHOでは大人社会での依存症者数を減らすための取組みを訴えています。

更に詳しい報告内容は、WHO のウエブサイト上で直接お読み下さい (英文のみ)。

WHO(世界保健機構)によるICD-10 (国際疾病分類 - 10) では、アルコール依存症を次のように定義しています。

アルコール依存症とは、過去1年に次の 6項目のうち 3項目以上の症状を自覚、あるいは周りの者が確認できる状況をいいます。

1. 飲酒への強い欲望、または飲まなければいけないとの強迫感をもっている。
2. 飲酒開始のコントロールができない。 飲酒終了のコントロールができない。 飲酒量をコントロールすることがむずかしい。
3. アルコールを中止したり、減量したときの生理学的離脱状態となる。 また、離脱症状を軽減するか避けるために飲酒する。
4. アルコール耐性が強化され、飲む量が多くなる。 
5. 酒のために他の楽しみや趣味への興味を徐々に失い、飲んでいる時間が長くなり、酔いからさめるのに長い時間が必要になる。
6. 酒のために明らかな身体的障害(内臓障害や精神障害)が起きているのに、酒を止められない。


(WHO 世界保健機構 2011年2月11日発表 The Global status report on alcohol and health 2011 )
003 【宮古島】
宮古島署は2012年1月8日、昨年1年間の管内における酒気帯び運転検挙数と交通事故状況を発表した。

それによると、酒気帯び運転の検挙数は146件で前年の114件よりも 32件増加 した。 同署では、年始は飲酒の機会が増えることから節度ある飲酒を呼び掛けるとともに、飲酒運転撲滅に協力を求めている。

酒気帯び運転検挙のうち、「二日酔い運転」(午前6時〜同10時)の検挙は52件、「酒酔い運転」は4件などとなっている。

昨年1年間の交通事故状況は、人身事故が150件 で前年の124件から26件増加。そのうち 死者は4人で前年の2人から倍増。重傷は32件、軽傷114件だった。 また、物損事件数は838件で前年の868件よりも30件減少した。

物損事故のうち、飲酒絡みは8件、交差点事故が192件だった。
(宮古島市警察署 発表 2012年1月8日)
002 【沖縄県】
沖縄県における飲酒運転の実態

(1)飲酒運転検挙の実態平成22 年中の沖縄県の飲酒運転検挙件数は 2,269件だった。
この数は全国で2番目に多い飲酒運転の検挙件数。 
沖縄県以外の上位全て大都市圏で、飲酒運転を人口千人当たりの検挙件数で比較すると、沖縄は 1.63 件で、九州0.48 件、全国0.31 件にくらべ 全国の 約5.2 倍、九州の約3.4 倍と多い。

(2)飲酒絡みの人身事故の推移平成22 年中の飲酒絡みの人身事故の発生件数は 154 件で、昨年に比べ29 件も多く構成率で2.37 %と21 年連続全国ワースト1が続いている。 
飲酒運転による人身事故の割合は、全国に比べて約3倍と高い

(3)飲酒絡みの死亡事故の推移平成22 年中の飲酒絡みの死亡事故の発生件数は8件で、昨年に比べ5件減少しているものの構成率で17.0 %と全国ワースト2(昨年まで 15 年連続ワースト1)。 飲酒運転による死亡事故の割合は、全国に比べて約2.6 倍と高い。

(沖縄県 統計 2011/9/01)
001 【全国】
アルコールの飲み過ぎによる社会的損失が年間 4兆1483億円 に達することが、2012年2月9日厚生労働省研究班の発表した推計でわかった。

研究班の尾崎米厚(おさきよねあつ)・鳥取大准教授(環境予防医学)らは、肝硬変の 40%浴槽での溺死の34% などがアルコールに起因するとする米国の研究を参考に、2008年の人口動態統計や患者調査のデータで推計。

飲み過ぎで、脳卒中、がんなどの病気やけがの患者が計 24万6000人死者が3万5000人増えたとした。

治療に 1兆226億円 かかり、69歳まで生きた場合に受け取れた賃金1兆762億円を失ったと見積もった。

研究班の調査で、働いている人でも男性の5・9%、女性の1・7%が「人間関係にひびが入った」 「二日酔いで仕事を休む」などの飲酒による問題を抱えていた。

こうした問題で労働生産性が 21% 低下するとの研究があり、損失は 1兆9700億円 になった。 さらに、飲酒交通事故なども考慮。
総額は、たばこの社会的な損失(5兆〜7兆円)にほぼ匹敵した。
( 厚生労働省研究班 発表 2012/02/09)
宮古島プロジェクト
 

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